広報誌 清流
多摩川住宅ホ号棟 第8回 建替え学習会 報告

 「再生計画と長期修繕計画について」

日時 :
2018年10月8日(月) 10時〜12時
場所 :
ホ号棟集会室
出席者 :
多摩川住宅ホ号棟管理組合区分所有:52名
講師:辻村氏
住友不動産:中川氏、川手氏、木村氏
長谷工コーポレーション:今井チーフ、澤田氏、上本氏
資料 :
再生計画と長期修繕計画について」他 A3両面18枚
I.理事長挨拶
 真野理事長より、多摩川住宅ホ号棟第8回建替え学習会「再生計画と長期修繕計画について」開催の挨拶がありました。又、資料説明の後の質疑応答の時間については、本日の説明内容に限るという説明がありました。
II. アドバイザー辻村氏の説明
アドバイザーの辻村氏より「再生計画と長期修繕計画について」の資料説明がありました。
III. 質疑応答、意見他
IV. 閉会の挨拶
 真野理事長より閉会の挨拶があり、終了となりました。
<質問・意見及び回答の内容>
No.1 修繕項目ごとの概算
・ P24について、項目ごとに概算を出してほしい。P8,9でもある程度想像はつくが、ぜひ出してほしい。
・ P6について、非常に良いページだと思う。修繕とは共有物の補修や建物の改修で、増築・改造・建替えは変更行為であり、修繕ではない。民法で定義されている。現在修繕積立金がたまっていて、年に5,000万円集めており、新たに修繕費用を集める必要はない。「修繕は新たな出費0円・建替えは更なる出費1,400万円以上」。これが実情実態で、建替えは全く必要ない。無駄な出費はやめましょう。
 
→細かい金額について、P30に内訳が書いてあります。P30はエレベーターがない場合、P32はエレベーターをつけた場合の、あくまでも概算です。P8,9に宮城設計に見積もっていただいた金額が載っています。概算であり、実情によって金額は変わってきます。実際にやる場合にはしっかり見積もりをとることを考えています。(真野理事長)
No.2 建物の構造
・ 配布したものが切り刻まれて戻ってきて自信がついた。私の考えは正しかった。
・ 建屋で大事なのは本体そのものであり、それが劣化して初めて建替えになる。地盤が良いこと、基礎工事、柱と梁が大事。柱と梁にひびが入ってから考えればよいのに、何十年か後にはこうなる、と脅かしてばかり。
 
→宮城設計も、ホ号棟のコンクリートの強度自体はまだまだ大丈夫とおっしゃっていましたが、それだけでは済みません。現在の建物の状況からすると、それ以外の様々な問題で色々なことを考えなければならず、やはり修繕が必要です。耐震については、構造的な問題で、ピロティ部分は何年か前に補強しているので、一応安全でしょう。しかしその構造耐震指数は0.6という基準に少し欠けている箇所もあり、本当に安全かは疑問です。しっかりと設計をして補強をした工事はやっていません。しっかりと耐震診断をして、それに基づく設計・工事が必要です。(真野理事長)
No.3 修繕と建替えの比較
・ 前回、宮城設計の話を聞いた時にとても良い案が出てきたと思った。今回も全く同じような資料が出ているが、修繕計画というのはこの先選択肢があるのかどうか。建替えの話だけずっとされていて、最近この修繕計画が出てきたので、修繕計画はこれからも検討していくのか、ということが大きな疑問。
・ P27について、建替えの場合は私達の財産が15坪マイナスになる。
・ P27の表について、建替えで引越した場合、ただ36ヶ月と書いてあるだけだが、1ヶ月10万円としたら36ヶ月で約360万円も費用がかかる。引越し費用もちゃんと換算されて計算しないと比較にはならないと思います。
 
→今回このような説明会をやらせていただいたのは、4月15日の宮城設計の説明が時間も無くてよく分からなかったということでもう一度説明するためです。建替えをするかしないかという決議を取るために色々とやってきています。その建替え決議を取るための説明につきましては区分所有法の中で、建替えた場合はこうなります、建替えなかった場合はこうなります、という説明をきちんと皆様に説明して、それで建替えるか建替えないかという判断を区分所有者の皆様に行うこと、ということが決められています。今回もその前段として、急に説明を受けてもなかなか判断が間に合わないと思いますので事前にこのような形で学習会を開いています。(もし建替えなかった場合はどうするのか、その場合はやっぱり修繕をしてこのまま住み続ける。修繕していくにはどういった修繕をどういった形で計画的にやるのか。そのための資金として今まで積み立ててきた修繕積立金をどう使っていくのか。等)
 宮城設計が見積もった工事だけでも一度にやろうとすると21億かかります。そうすると今の9億の積立金では足りないので、一時金を集める、修繕積立金を高くする等、方法を皆さんとご相談し、やっていく必要があります。いずれにしても、現状のままで維持していこうとすると、色々とお金もかかるし修繕もかかります。水漏れ等の事故がもう既に出てきており、修繕せざるをえない、ということをしっかりご理解いただきたい。どれを選んでいくかは皆で決め、その時によって資料も変わってきます。
 P27の面積につきまして、現在の建物と同じ面積で新しく建替えた場合の費用負担が約1,000万円ということを提示しています。改修A、Bも現在の建物をそのまま残した場合で、それで比較しているということでご理解ください。
 また、備考欄にありますけども、引越し代の費用・仮住まいの費用は含まれていません。希望する面積によって家賃も変わり、一概に言えませんので比較はできません。それぞれの皆さんのご予算に合わせて引越し代が出されてきます。例えば10万円の家賃のところに36ヶ月仮住まいすると 360万がプラスされてきます。引越しの費用も荷物の量にもよるがプラスされます(往復なので2回分)。
 今回はあくまでも、現状の建物の中でどうですかという比較です。(真野理事長)
No.4 登記費用
・ 建替えの場合、登記費用はいくら位かかるのか。
→登記費用は個人の負担ということで考えます。それぞれが取得した建物の大きさによっても変わるため、一概にいくらと言うことはできません。どれくらいかは今分からないので調べておきます。(真野理事長)
No.5 一時金について
・ 新たに修繕積立金を一時的に払わなければいけないというのはどういうことか。
→P31のグラフ(エレベーターをつけない工事)で、大規模的に色々な必要な工事を一度にやった場合は21億かかるということで、現在の修繕積立金は9億+αですから差し引いても足りません。その足りない部分について一時金として集めようとすると330万円/戸が必要です。建替えた場合についても、修繕計画を作って、現在の修繕積立金よりも高くなる、ということです。やはり規模が大きくなり、足場代等が余計にかかるので、現在の修繕積立金よりも高くなります。(真野理事長)
 
・ 再入居の時に一括で払わなければならない金額はいくらになるのか。
→今度、建替えの決議に向けての最終的な案をご提示する時に大体このくらいになる、ということを説明したいと思います。(真野理事長)
No.6 仮すまいの不安
・仮住まいの紹介が3か月〜半年前とのことでしたが、それが全部気に入らない場合は、自分で探さないといけない?
→前回(第7回学習会)も話があったように、皆さんそれぞれの希望に沿うようにできるだけ努力したいと思っています。事業協力者の長谷工、住友も誠意をもってやってくれると思います。(真野理事長)
 
・ ここにいれば、死んだ時「清流」にも載って知ってもらえる。仮住まい中に人知れず死んでしまったら悲しい限り。
・ 仮住まいの出費はばかにならない。このお金はドブに捨てるようなもの。ワンフロア作るのに2か月、順調にいった場合に36ヶ月だと聞いた。これ以上延びたらどんどん高くなる。
・ 私の部屋も修繕したいけれど、建替え修繕か話がまとまらないからお金をかけることができず困っている。
No.7 宮城設計の説明との違い
・ 宮城設計の説明では「修繕でもいいな」と思った方が結構いた。今回は逆に、「修繕ではなくて、建替えしないとこんなに大変なんだ」というイメージを感じた。この差はなんだろう。
 
→宮城設計の内容と私が説明した内容、データは同じです。内容的には変わっておりません。ただ、新たにやはり宮城設計も調査の中で事故例については知らないこともありました。そのような事故例はきちんとお伝えしないといけません。それを踏まえて、やはり明日は我が身ではないですけれども、ご理解いただくためにあえてこういう事故例も出しています。別に煽っているわけではなくて、事実を正確にお伝えしなければいけない、ということです。(辻村氏)
 
建替えをするのか修繕にするのか皆様にご判断頂くための説明の一つです。写真の中には、宮城設計が4月に行った以降の事故例も出ているので、それは最新の写真を入れています。(真野理事長)
No.7 建替え反対の意見
・ 最後の「補足とまとめ」(P29)の一番下のところに、「多摩川住宅ホ号棟の老朽化問題は待ったなしで、何もしないということはできません。10年先、20年先を見据えて、今こそ皆さんで決断しなくてはなりません。」と書いてあるが、10年先、20年先私は生きているかどうか分かりません。今75歳ですから10年先は85歳、20年先は95歳です。そこを視野に入れながら皆さん頑張りましょうと言われても…。
また、少なくとも決議されてから5年くらいはかかるということで、私は80歳になる。80歳からここで生活をする。移ってすぐに脳梗塞や認知症になることもあり得る。それで1,000万円の借金もある。これは絶望的です。今日いろいろ伺ったが、修繕について色々な疑問点があります。
下手すると今までは修繕する方がすごくお金がかかるというイメージだったが、理事長がきちんと、新築の場合も修繕は10年ごとに行い、高くなる場合もあると、きちんと公平に説明してくれて嬉しい。今のところ建替えにはとても賛成できない。
No.8 建替えと再生計画との比較表について
・P27「建替えと再生計画との比較表」について
建替え:760万円(修繕積立金の戻りを除くと1,000万円)に引越し費用360万を足すと約1,400万円
再生計画A:1,430万円に、60万(仮住まい半年)を足すと約1,500万
再生計画Bは830万になっていて、再生計画としては330万。500万は個人で中を内装したりする費用なので人それぞれで、全員が500万になるわけではない、500万円以上直す人もいるかもしれない。
 
・ ガス漏れが命に係わるので非常に怖い。ガス管も50年経っているから傷んでいる。水道・ガスは生活するなかで心臓部。高い買い物だが、ここで建替えをした方が良いと思う。引越し費用360万円はドブに捨てるようなものだという話があったが、新しい家に住めるための費用と思えば、いいのではないか。建替えをするから、ここは我慢しようと思っている人が多々いる。エレベーターがつくと生活の質が向上する。皆で頑張って建替えをしたい。
 
→比較表は、新しくなった場合と同じレベルで比較検討するための資料として、リフォーム代も込みで出しています。ガス漏れの問題は、号棟ごとにガス漏れの調査の案内があるのでは。ガス管も古くなり心配はあると思いますが、ガス会社の方でも事故のないよう定期的に検針をしていますし、ホ号棟管理組合としても調査結果を教えてもらうようにしたい。(真野理事長)
No.9 建替え賛成の意見
・ 現時点でこの古い多摩川住宅で修繕費330万円は払いたくない。新しいマンションで新しい管理組合で修繕費・積立、それはどこのマンションでも当然発生する必要なもの。15年前に家をリフォームしたが、コンクリート下にひびが入っていた。リフォームして中は綺麗になったがその直後、下の階に水漏れした。建物はスケルトンではないので配管も含めてすべて、人間の体と同様見えない。やはり、地震等の不安もあるので3年間外に出るのは大変だが今建替えを決断するべきだと思う。
No.10 建替えと再生計画との比較表について
・ P27の「修繕積立金240万円を戻した場合の負担」について、建替えの時にこれを入れなかったらどのくらいになるのか、その説明をしてほしい。
→240万の話について、改修工事をやろうとすると、現在の修繕積立金240万/戸を全部この改修費用の中の戸建ての負担にあてるわけですからその分を引いています。同じように、修繕積立金ですが、建替えた場合にどうするか。これは私個人的なお話ですが、修繕積立金を皆さんに均等に(380戸で割って)分けるという形がいいと思います。最終的にどうするかは皆様で決めてもらうことになりますが、修繕積立金を割り当ててもらった時には、現在の負担金よりも240万安くなるという話です。それをどう使うか(建替えの費用に使うのか、引越し代・仮住まいの費用に使うのか)はそれぞれが決めていただけます。これはあくまでも比較検討するためのものなので、修繕積立金を均等に、有効に使った場合です。(真野理事長)
 
・ この建替え・修繕の問題を、皆様が100%分かっているとは思えない。私もいくら勉強しても30%位しか分からないので、もう一度宮城設計に来ていただいて、もっともっと細かい説明をしていただきたい。(修繕をしたら、防水をしたら、配管を全部撤去してやったら、どのくらいかかるのか。等)
→宮城設計につきましては、細かい数字はP30,32にありますし、P8,9にこういった工事をやった場合はいくらかかるという概算が載っています。宮城設計に出していただいた資料をそのまま使っています。ですからまたこの内容を詳しく説明していただくと言っても同じ説明になります。概算ですから、それ以上のものを出してと言っても難しく、もう一度宮城設計に説明してもらうという話は無理だと思います。(真野理事長)
No.10 不動産鑑定士について
・ 辻村氏にお聞きしたいと思います。H29年11月26日、グループ討議の時に、不動産鑑定士を入れるというようなことをおっしゃったが、それの回答がいまだにありません。その回答をこの場じゃなくてもいいので欲しいです。
→不動産鑑定士については、いつの時期に入ってもらうかとか、説明してもらうとかタイミングがあります。決してお話を忘れているというわけではありません。(辻村氏)
No.10 学習会資料について
・ 資料について、今日みたいにその場でもらって読んでいては全然分からない。一週間前くらいにきちん資料を全戸配布し、それを見ながら皆で勉強してきて、分からないところを教えもらう、というような討議をもっとしたい。
→資料の配布については、今後もこのような説明会ありますができるだけ早く皆様にお配りするように致します。(真野理事長)
No.11 地震の不安
・ 今、気になっているのは朝日新聞のH30年6月26日に発表された地震の話題。震度が6強以上の確率があがっているという。H30年からの30年間の確率の分布が表示された。こういう記事を読むと、今ここで動いて大丈夫なのだろうか、この30年というのは地球の動きを見る必要があるのではないかと思う。
→地震についてはいつ来るかわからないけど心配ですよね。(真野理事長)
No.12 今後のスケジュール
・ 将来のことは不確定要素のものが多いので、金額にしても地震にしても、はっきりしたことは分からないが、不確定要素の中で決断をしていかなければいけない。例えばこのような学習会を10年20年やるということが一番不幸だと思う。工程について、推進委員会の方で考えてらっしゃる現段階での工程表があるのであれば教えていただきたい。
→管理組合・建替え推進委員会で今色々と検討しています。前にもお話したように、今年度中には建替え決議を取るというように今進めています。それに向けての法的な手続きは、区分法の70条に則って2か月前に案を出して皆さんの検討する時間、法的な期間をちゃんと組んでいきながらスケジュール等含めて考えています。昨年の6月に大体このぐらいの規模でということで、1,000万円という話を提示させていただきましたが、それの中身・プランについても今色々と検討しています。
我々は何回も皆様にお話していますけれど、保留床の買い取り価格が去年の6月の時には平米あたり39万5千円でしたが、それをできるだけ上げてほしい、上げてくれることによって我々の負担が減ってくるということで、再三にわたってお願いしています。是非その辺を考慮して次の説明会の時に負担金が少なくなるようにお願いします。少なくとも年内にはそのような説明会をやっていきたいと思っています。(真野理事長)
No.13 修繕積立金について
・ 230万円かかるのは私の個人的な修繕費積立金を分けるという考え方で、それはすごく良いアイディアだと思う。しかし、積立金の使い方について、話し合ってからこの表のように比べるのは良いが、まだ決まっていないのに個人的な意見の中で比較資料として230万円引いて表にのせるというのは会の進め方としてよくない。お話していただくのは良いが、表のなかで比較資料として印刷して配るというのはちょっと違うと思う。
→建替えと修繕の比較検討の資料として出しています。当然修繕の場合は修繕積立金を利用します。建替えの場合にも、その積み立ててきた修繕積立金を同じような使い方で使った場合はこうなる、ということで同じ土俵として考えていただければと思います。(真野理事長)
No.14 事業協力者への要求
・ 一級建築士の友人に聞いたところ、買い取り価格1,000万は安い。もっと高くなる。デベロッパーはもっともっと買い取り価格を高くしてください。負担金がうんと下がれば考えも変わると思います。宜しくお願いします。
→私も同じ意見です。(真野理事長)

以上


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