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調布市の東端、狛江市と境を接するところに「千町耕地(せんちょうこうち)」と呼ばれる一面の田園地帯があった。 その耕地には、たくさんの清水が流れ、「しじみ川」と呼ばれる美味な黄色いシジミが採れる川があったり、根川ではコイやフナはもちろん、トゲブナやタナゴもたくさん採れた。川沿いにはハス田が広がり、そのほかにクレソンやワサビの栽培が盛んであった。昭和10年頃までは、老舗の三越がそれらを買い付けに来たそうである。 ところがこの田園地帯に、昭和30年代半ば、東京への人口集中に伴う深刻な住宅難に対処するための、大規模な集合住宅の建設が求められ、この地に「多摩川住宅」建設用地として白羽の矢が立った。 多摩川住宅は、昭和39年度に建築工事に着手し、3期にわたる工期を経て、最終的には43年度に完成した。 この多摩川住宅は、敷地33万4,000平方メートル、賃貸住宅1,826戸、分譲住宅2,048戸、計3,874戸の規模を誇る団地で、12階建ての高層建築をはじめ大型店舗の導入、野球場、テニスコート、公園のほか、小・中学校3校を含む、公社初のマンモス団地であった。 完成後、この画期的な団地は、その規模、斬新さを誇り、モデル団地として、多くの見学者を迎えた。 |