第二次作業部会(A)は、防災・防犯をテーマに検討を行った。その内容は、 | ||||
1. | 災害の状況想定、問題点と解決の方向 | |||
2. | 災害時の救援物資、備蓄状況 | |||
3. | 災害時の救護体制、行政関係・管理組合 | |||
4. | 災害時のライフライン、医療体制、行政関係 | |||
5. | 防犯について | |||
現状と取り組みを提起し、各担当を決めて検討を行った。 | ||||
1. | 災害の状況想定、問題点と解決の方向◇現在の想定状況◇ | |||
(1) | 地震災害は、古来「忘れた頃にやってくる」と言われている。それだけに常に災害時への対策が大事である。 災害の状況への的確な対応、災害発生時の判断が求められる。そして、協力体 制、「相互支援協定」などはやはり必要になってくる。水害時に上階の人々はどう協力するか、要支援者、高齢者の支援はどうなるか。 |
(2) |
災害避難訓練は指導者の合図で開始できるが、災害時はまず安否確認が第一で、その後、多摩川河川敷など避難場所に移動することになっている。 (写真は10月11日に実施された「防災(避難)訓練」の様子) |
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(3) | 今後の対策の重要点は下記のようなことが考えられる。 | |||
* | まず災害対策部の設置、役員の役割が重要になる。(役員は果たして集まれるだろうか?) | |||
ア. | 役員は避難場所に青シートを出したり、椅子を出したりして落着く場所を確保する。 集会室・事務室を開ける、非常用集会室、電話の設置をする。 | |||
イ. | 正しい情報を受けたり、伝えたりする。情報の公開。 | |||
ウ. | 避難用テント(屋根付き)の建設。余震が続いた場合の対応。 | |||
エ. | 水飲み場の設置、必要に応じた簡易トイレの設置。 | |||
* | 居住者の安否の確認(どんな方法でも安否の確認をする) | |||
ア. | 各階段で出来る人が居住者の安否を確認。災害時にエレベーターは不能。 | |||
イ. | 室内で事故、家具の下敷きになったり、動けなくなった人を助ける。 この場合、ドアが開かない場合も想定され、人の存在の不明な場合もある。 | |||
* | 外に避難する(逃げる)時の注意 | |||
ア. | エレベーターは使用不能。非常階段の設置、廊下の拡幅。 | |||
イ. | 必要な物は持って逃げる。頭を保護するヘルメット・帽子が必要。 | |||
ウ. | 各戸はドアに避難済を通知するカードを貼る。各戸の鍵の管理(施錠)。 | |||
エ. | 自己が無事だという事、避難先を通知したカードの添付。災害対策部への集中管理。 | |||
オ. | 避難時に自分がどうなるか分からないから、名札・血液型・連絡先・医療保険証等 を身につける。 | |||
カ. | 自転車での非難は可能かどうか。 | |||
2. | 災害時の救援物資、備蓄状況について | |||
救援物資(外部)の到来は一ヶ月、時に二ヶ月かかる。 それだけに各戸での備蓄はやらなければならない。やっておくことは多岐に渡る。 | ||||
* | 各個人の非常持出しリュックなど用意するする必要がある。 各人一人ひとりが持ち出して避難する。これが第一の行動になる。 | |||
* | 非常用備蓄はどうか、日常的に用意するものとしては、浴槽での水の汲み置きは大事である。 かつての大災害の教訓からは逃げる時、家具やガラスの破片から身を護る靴は常に 留意するべきだ。非常持ち出しに含まれるが、鋏、手袋等必需品である。 非常用必需品のモデルを広く掲示しておくことも大事である。 その一例を示す。 | |||
☆ | 水(最低3リットル)、スポーツドリンク、赤ちゃんの居る家はお湯ポット | |||
☆ | アルファ化米、カップラーメン等インスタント食品、サランラップ、紙皿 | |||
☆ | 梅干、クラッカー、ジャム類 | |||
☆ | 現金(小銭は必要)、保険証、キャッシュカード | |||
☆ | 懐中電灯、携帯ラジオ、携帯電話 | |||
☆ | 常用薬 | |||
☆ | 着替用下着(相当数)、靴下、軍手、手袋、ヘルメット(防災頭巾) | |||
☆ | ホカロン、ビニール袋、靴、サンダル、雨具 | |||
☆ | カセットコンロ(ガス)、ハサミ、カッター、ライター、缶切り | |||
非常持出品はあまり多量では重すぎるので、体力を考慮してリュックにまとめる。 | ||||
* | 公共的な災害用備蓄物資にチェックが大事で、例えば管理組合の倉庫の備蓄物資は06年に準備されているが、定期的に倉庫のチェックが必要になっている。 調布市のハザードマップによると市内に38箇所の倉庫があるが、問題はその中身であろう。総体的にアルファ化米、ゴザ、ビニールシート、医療セットが用意されている(調布市ホームページ)。 多摩川水防備蓄倉庫は資材が主なもののようだ。染地小学校の備蓄倉庫は食料が主である。日赤東京都支部でも備蓄をしており、お見舞いセット、緊急セット、キャンピングセットなど、必要に応じて供給することになっている。これらの救援物資は総じて一年で交換するのが原則だ。 | |||
* | 災害時に避難者への必要物資をどう供給するか。これまでの各地での災害時の経験が報道されているが、体制、人手、システムなど、日頃から訓練しておく必要がある。防災訓練でも、40人位のスタッフがいる。 水害時の場合は、これまでの場合とは別の対応になる。 食料の備蓄は、やはり個人の用意が第一になる。 ただ、災害時も同様だが、個人的な備蓄は一日か二日に限定される。三日以上になると地域的、行政の支援がなければならないだろう。 水の補給に手漕ぎ井戸の採用設置なども必要である。 | |||
3. | 災害時の救援体制、行政関係、その他 | |||
(1) | 防災関係 | |||
* | 地震災害救援には、自助・共助・公助がある。 |
自助では・・・ | 家庭内での対策。例えば家具、物置等の転落、落下防止。 事前の準備。例えば非常備蓄品、防災準備品、家族での話し合い。 | |||
共助では・・・ | 近所での助け合い、管理組合での救援活動。 | |||
公助では・・・ | (調布市の例) 初動要員、二次避難所、備蓄倉庫、街頭消火器、防災無線、総合防災訓練。 一次避難所とは、近隣の避難者が一時的に集合し安否確認などする場所、公園・空き地。 管理組合の場合、棟毎の確認をする。 二次避難場所(広域避難所といい、大規模な公園、緑地などオープンスペースを有する場所) 備蓄倉庫は、市内の小・中学校に設置。800人、三日分の備蓄をしてある。 |
(2) | 水害時の救援 | |||
* | 行政関係 基本的には地震災害とは異なる点がある。 |
ア. | 集中豪雨など事前予測が可能で有効に活用できる。情報に的確に対応していくこと。 |
(多摩川スーパー堤防戸建住居)
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イ. | 一時避難場所や広域避難所が地震災害とは異なる。 | ||||
ウ. | 河川事務所では、高規格(スーパー)堤防の将来構想を持っているようだ。 |
(3) | 消防関係 | |||
ア. | 過去に水没、崖崩れ等が起こった場所を特定し監視している。 | |||
イ. | 災害情報のレベルに対して、四段階(人的配置)で対応。 | |||
4. | 災害時のライフライン、医療体制について | |||
(1) | ライフライン | |||
* | ガス・水道・電気・電信等について、災害時にはそれぞれどの様な対策が立てられているか。ここでも、公助が効力を発揮するには時間がかかる。そして、被害の大きさが、やはり復旧の順番となる。とりあえずは自助・共助が大事になっている。 |
電気・・・ | 災害の規模にもよるが、瞬間的停電で回復する場合がある。 変電所の連携によって送電が自動的に変更される。 | |||
ガス・・・水道 | 一応の安全策は講じている。ただ、必ずしも鵜呑みには出来ない。 時々の事故を振り返ると突発事故の復旧の遅れはあるようだ。 調布市では上石原浄水場、深大給水場が給水拠点になっている。 東京都には震災用給水塔が設置されているが、調布市にはなく、府中市、 世田谷区に存在する。 災害時に断水した場合、応急給水を発動する。 これらの発動の基準は震度7以上を想定している。 ガスは地震では自動停止の安全策を講じている。 ガス管の安全措置も進められているというが、実際はどうか。 下水道の復旧は不可欠。また、ゴミ処理も衛生上不可欠。 | |||
通信・・・ | 災害時には災害用伝言板サービスが使用できることになっているが、 災害時の通信制限により携帯電話の使用ができないことも考えられる。 特に大都市ではパンク状態になることが予想される。 また、避難所に公衆電話の設置が考えられている。 |
(2) | 医療体制について | |||
災害時の負傷者のランク付けが決められている。 多摩川住宅の緊急指定病院は杏林病院、慈恵医大第三病院、佐々総合病院、昭和病院の四ヶ所である。 しかし、各病院とも平常時でもほぼ満床と言われていて、災害時の役割が果たせるか疑問でもある。 自助という点では、災害時、特に高齢者・病弱者は処方箋、お薬手帳、常備薬を携帯しておく事が欠かせない。 このことは日常的にも当然のことであろう。緊急の応急措置、例えば輸血などに大いに役立つ。 災害時の避難所に仮設診療所など必要である。全国からの医師団の派遣は緊急を要すといえよう。 | ||||
5. | 防犯について | |||
多摩川住宅団地では近来大きな犯罪は発生していないが、昨今の社会情勢から言うとやはり防犯を疎かには出来ない。 犯罪の防止には何といっても自助、共助が必要不可欠である。色々な人の目が届いていることが、犯行を防ぐ役割を果たしている。 今後、例えば「振り込め詐欺」のように高齢者を対象にした犯罪が増加すると予想されていて調布市も警察も全力を尽くしているが、なかなか減ってはいない。これからも管理組合として宣伝、啓蒙を続けていく。 市からの主要事件、気象など情報発信がメールで実施されているが、これも活用していきたい。 小学生をはじめ子供達の安全を守る体制は欠かせない。登校は集団的に行っており、下校時には市内放送がされるが、自転車パトロールとか民間パトロールなど考える事も大事だ。 ここでも、自助、共助が欠かせない。居住者が顔見知りになることや、日常的にあいさつが交わされる関係を大切にしたい。ホ号棟管理組合が実施しているタマリバーのような会合は今後も居住者がさらに参加されるように進めていく。 |
団地内の樹林では緑は豊かになっているが、 その陰に街灯が隠れてしまっているのは、防犯の立場からは改善したい。 将来は監視カメラの設置も考慮すべきかもしれない。 |
(街中に見られる防犯カメラ)
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